113人が本棚に入れています
本棚に追加
/337ページ
俺達は余韻に浸る暇もなく
窓が…ガタッ!と音を立てた
わざとそちらを気にしない振りをし
「何者だ…」
心の中で問いかける
「…………」
何も言わず暗い気配を放ち
身動きもできない心に
強烈な悲しみを流し込んできた
『…銀牙さん?』
異様な気配はマリアも感じているようだ
先ず、マリアを安心させてやらねば…
「大丈夫だ…俺の傍から離れるな…」
そう言って抱き寄せると
小さな身体は、少し震えていた
俺の言葉を理解してくれたマリアは
一つコクリ頷く
最初のコメントを投稿しよう!