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『……ワタクシ…』
明け行く空に
光輝く女神は映えて
新たに生まれ変わったみたいに美しい…
「…綺麗だな…」
薄らと白くなった満月と女神を交互に見て
狼が言えば
どちらにも同じく綺麗だと言った様に思えて
嬉しそうに女神は微笑んだ
『本当に月は綺麗です 満ちたり 欠けたり いくつも表情があって…青 白 黄と変わっていきます』
「まるで…俺達みたいだな…」
狼がそう悲しく呟いて
銀色の瞳は更に遠い空を貫く
女神も狼と同じく空の一点を見上げ
『私達…これからどうなっていくのでしょうか』
「………」
マリア……
おまえは薄々運命を感じているのだろうな……
記憶が消されても
狂気に狂った者達の過去を
俺達は、引き摺っていかねばならぬ…
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