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狼は女神を両腕に抱え立ち上がり
女神を起こさぬよう
そっとベッドまで運んだ
疲れ切っていたのか
マリアは、安らかな寝顔で
深い眠りから覚めない
俺は、安らかな寝顔に吸い寄せられ
顔を覗き込んだ
しかし…
君と女神が同一化しないのは何故だ?
不思議な衝動にかられ
好きだった赤毛を撫でながら
片手の指は唇をなぞって
柔らかさを確かめる
不意に…
星暗が言った言葉が過る…
…悪魔に受けた罰…
それがどんなに酷い仕打ちなのか…
無意識だが…頭の中に浮かんでしまった…
悪魔も……
マリアを愛していた…
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