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「はぁ…」
剛知はナースステーションで深く溜め息を付く。
(大っ嫌い。かぁ…)
面識も無い初対面の人とは言え、大っ嫌いなどと言われたら流石に傷付いてしまう。
「あら元田君、何溜め息なんてついてるの?」
明らかに落ち込んでいる剛知に声を掛けたのは、冬佳の担当を命じた伊丹だ。
「伊丹主任…」
剛知は今あった出来事を全て伊丹に話した。
鉄柵越しの窓を眺め、死を望む綺麗な少女の話し。
そして大っ嫌いと言われた話しを打ち明ける。
「そう…」
伊丹は表情を曇らせた。
「あまり患者に深入りは進めないけど…彼女の事、少し調べるのもイイかもね。」
「はい…」
もう少し核心を付く答えをもらえると思っていた剛知は少しがっかりした。
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