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ボーッと仕事をこなしていると、いつの間にか夜も更けた。
外は相変わらずの雷雨。
「元田君、悪いけど見回り行ってもらえる?」
「はい。解りました。」
もぅそんな時間か…
上の空で懐中電灯を片手に見回りに出る。
暗い廊下を歩き、1つ1つの部屋の扉に設けられた小窓を除きながら患者に異変が無いか。
扉の鍵は掛かっているかをチェックして行く。
入院患者は少ないので、最後の403号室まで辿り着いてしまった…
「………」
他の部屋と同様に部屋の中を小さい窓から中を覗く。
「えっ…?」
中を覗くと、冬佳はベットの下の床に横たわり頭を両手で抱えていた。
剛知は驚いて慌てながら部屋の鍵を開ける。
「今本さん!どうしました!?」
駆け寄って膝まづき、冬佳の肩に手を置いた瞬間―
「嫌っ!ごめんなさい!良い子にするっ…良い子にするから!」
体を震わせながら、悲痛な声を冬佳は上げた―
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