病室の少女

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明るく振り注ぐ太陽の光りに照らされた、緑溢れる中庭のベンチに剛知は腰を下ろす。 「えっとぉー…」 辺りに人が居ないのを確認してからカルテを開く。 こんな場所でカルテを見てイイはずないのだが、ナースステーションは他の看護士達の話し声などで集中出来なかった。 「女の子?しかも若いな…」 カルテには 今本 冬佳‐イマモト トウカ‐17歳。 と書かれている。 「自殺未遂…?」 簡説すると 自傷により手首を刃物で切り、意識不明の大量出血の為搬送。 手首を三針縫合、翌日意識回復。 情緒不安定。自殺願望有り。自傷行為を繰り返す。 と、汚い文字で書かれていた。 「何でそんなこと…」 若い女の子が、自分で自分を傷付ける―と言う現実に剛知は心が痛くなる。
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