第一章

12/83
前へ
/243ページ
次へ
真『あぁ~…落ちつかねぇ……』  紙に書かれていた席に着き、突っ伏していると、腕をユサユサと揺らされた。 真「んん~っ…何ですかぁ…?」  そこには、いかにもお嬢様な雰囲気を醸し出している子が立っていた。璃桜ちゃんとは違い、若干近づき難い印象を覚える。 ???「あなたかしら…? 今日から編入してくる方は…」 真「男の俺がいる時点でそうでしょうが…」 ???「そんなことはどうでもいいのです。あなた、私の璃桜ちゃんに何かしたら…どうなるかわかってますわよね…?」 真「なんだよ? 璃桜ちゃんはココに着いたばかりで右も左もわからない俺を、教室まで案内してくれただけだ。だいたいさっきから偉そうに、あんたは誰なんだよ?」 ???「まぁ! 私を知らないんですの? 信じられませんね…まぁいいわ。教えて差し上げますわ。私は斎賀紗枝。どうです? 私の苗字、どこかで聞いたことありません?」 真「はぁ? それはあんたと同姓の人が全国にたくさんいるってことか? 山田とか佐藤みたいにさ」 紗枝「違いますわッ! 全く…これだから小市民は…」 真「オイ! 今のは聞き捨てならないぞ!」 紗枝「だって本当のことでしょう? あ、それから背丈的な面でもあなたには『小市民』がお似合いですわ♪」 真「くぅ…俺は身長のことをバカにされるのだけは気に食わねぇんだよ…」  そこに俺達の口喧嘩(?)を聞いていた璃桜ちゃんがあわててやってきて、紗枝をなだめる。
/243ページ

最初のコメントを投稿しよう!

364人が本棚に入れています
本棚に追加