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真「なぁ叔母さん…俺はここで怒るべきなのかなぁ…それとも…素直に受け入れた方がいいかなぁ…?」
叔父「まぁお前が怒りたい気持ちはよくわかる。だがここは抑えるんだ。今ここで怒ったところで編入は決まってしまったことなんだから……」
…もう俺に…選択肢は残されていないらしい。
叔父「じゃあ真、頑張ってくるんだぞ!」
二日後、俺は叔父さんに見送られながら叔母さんと一緒に学院に向かった。
真「うわ! なんだこの車は!」
家の前で待っていると、他とは明らかに格の違いを感じさせる黒塗りの車が止まった。
叔母「ごくろうさまです。毎朝すみません」
運転手「私のことは心配いりません。お気遣いありがとうございます、学院長。そこにいらっしゃるのが…」
叔母「ええ、甥です」
真「なぁ、叔母さんは毎日こんな車で送り迎えしてもらってたのか?」
叔母「えぇ。羨ましいかい?」
真「そりゃそうでしょ! 俺なんか毎朝ギュウギュウ詰めの電車で行ってるんだから!」
運転手「それは大変ですね。でも、編入されてしまえば満員電車からは解放されますよ」
そう言って俺にニッと微笑むのは50代半ばのとっても渋いおじさん。専属の運転手らしいが、何年くらいやっているのだろうか…。
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