序章

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『お嬢様は歳をとらない、いや、子供の頃は普通だった、  だがな、十を過ぎたあたりからまったく外見が変わらん。  そういう病気らしいが、詳しくは医者も解らんらしい。』  首をかしげたままのカイトにレティシアは気にする風でもなく、突然カイトの頬に手を伸ばし感嘆した様子で、 「お前の瞳は綺麗だなあ!カイト!」 「?、目、ですか?」 「うんそうだ。わたしはお前の瞳の色が好きだ、お前の瞳は春の空みたいで優しい。」 「俺の?・・・ただ青いだけですよマスター。」 「良いんだ、わたしが好きなだけだ・・・、お前のその瞳は本当に綺麗だよ、  カイト・・・まるで神様の祝福を受けたものみたいで素敵だな。」  神様。  それは人間が崇めたてまつる存在の名。  かつてひとだったものや、自然物が対象になる決して手の届かない存在が冠する名。  情報としてメモリには焼きついている。 何か神々しいものだろうと推測出来る参考画像も参照出来た、だけども、…やっぱり解らない、とカイトは思う。
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