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「俺は神様は見た事がありません。」
すると馬鹿だな、わたしも無いよ、とレティシアは言い、
「親父様は、わたしにハートレスというセカンドネームをつけた。
皮肉さ、わたしが歳を取らぬのは、神様に愛さぬこころを持ってるからだって言ったのさ。」
肉親を皮肉にも、というレティの微笑みも皮肉にゆがんでいる。
ひょっとしたら、その時に刺さりずっと痛みを生む続けるとげに改めて気づいたのかもしれなかったけれど、しかし今のカイトにそんな心情をおもんばかる事なと出来ない。
彼はいまだ何もしらぬ子供と同じなのだった。
「だけどお前の瞳は神様に愛されたものの証だって気がする。
お前のこころもだからきっと、綺麗なんだ・・・。」
「こころって何ですか?マスター・・・」
「レティと呼べと言ったろうカイト?
お前はわたしの僕でも何でも無いさ、わたしはただのお前の友達に過ぎん。」
「でもマスターはマスターです、俺は、マスター以外の呼び名を知らないから・・・。」
予想外の、つまり、意外な事を言われ、カイトは困惑するしか無い。
友達?・・・それは、一体、何だろう。
仲間とはまた異なるものなんだろうか。
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