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「……ごめんね」
莉央の小さな声が聞こえたかと思うと、莉央は少しかがんで……
……俺を、抱き締めた。
「り、莉央?!」
甘い匂いが俺の鼻孔をくすぐり、思考を鈍らせていく。
「今日ね、麻里乃に言われたの。
あんたもそろそろ彼氏の1人くらい作りな! って……」
「それから合コンの話が出たの」と困った声で話を続ける莉央。
「だから、ごめんね?
チ……扶仁がそんな風に私を見てると知らなくて、合コンの話オッケーしちゃって……」
ギュッと俺の背中にある莉央の手に力が篭る。
「……ばーか」
俺はただ一言そう言った。
「なっ! バカ?!
ちょっと!! それ私のこと?!」
バッと俺から離れ、頬を膨らまして莉央は怒った。
「……他に誰がいんだよ」
くしゃりと莉央の頭を撫でる。
「やめてよ!」だなんて、莉央は焦ってる。
……ほんと、お前はバカだよ。
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