私とチビ

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「大きくなったら僕が莉央ちゃんをお嫁さんにするからね!」 そう言って、無邪気に笑いかけてくれたあの頃。 あの言葉はプロポーズだったのだと思うけど、今やそれは私にとって、いい思い出のようで。 あの頃の扶仁は可愛いくて、足も早くて、優しくて、いつも私の後をついてきて。 そんな弟みたいな扶仁が私は大好きだった。 ……なのに。 「おい、莉央。  ジュース買ってこい」 「はぁ?! なんで私がチビの為に動かなきゃいけないのよっ?!」 いつから、コイツはこんなにも憎たらしくなったのだろう? 「あ? 莉央ちゃんはまた俺に逆らうんだー?」 あの頃の無邪気な笑顔はどこへ行ったのか、ニコリとどす黒い笑顔を浮かべるチビ。 「こんの……チビっ!」 「寝言は寝て言え」 「本当の事でしょうがっ!」 ――――お昼休み。 私とチビこと、扶仁の間ではこんな会話がいつも飛び交っている。 私の日常には必ず、扶仁がいる。 いない日なんて、きっとなかったと思う。  
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