揺れ動く心

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―――― ―― 現在、午後六時三十分。 私の家では夜ご飯の時間だ。 「いっただきまーす!」 「もうジャンジャン食べてね! 今日はたくさん作っちゃったんだから!」 ママの言葉に私は頷くと、一心不乱にご飯を食べ始めた。 さっきの事で、今すごくイライラしてるから軽く三人前はいけそう! ……なんて私は思っていた。 ――――が。 「……あら? 扶仁くん、その頬どうしちゃったの?」 ママの一言により、私はそうも思っていられなくなった。 私は静かにお箸の手を止めた。 「あ、これは……」 「ママ! ご飯おかわり!」 私は扶仁の声をかき消すくらいの大声でママにおかわりを告げた。 「え? おかわり……? もうホントによく食べる子ね」 驚いていたけれど、ママは笑いながら私におかわりをよそってくれた。 「ありがと」 私はママにそう言うと、次はちゃっかりと横に座っている扶仁に告げた。 ……もちろん、扶仁にしか聞こえないぐらい小さな声で。 「……余計な事喋ったら、後で覚えてなさいよ?」 「何? 莉央からのキス?」 「……いっぺん死ね」 扶仁のアホらしい回答に、私はおもいっきり足をふんづけてやった。 「い……っ!?」 もちろん扶仁は苦痛を感じ、小さく声をあげた。 「扶仁くん?」 「な……、んにもないっ、です」 ママの不思議そうな視線を受けながら、扶仁はそう答えた。 それを聞いた私は、 「よく出来ました」 と小さく言った。
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