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大好きな大好きな女の子。
何よりも大切だと思った人。
運命だって信じることすら出来るような、かけがえのない存在。
莉央――――。
お前はいつになったら、俺のこの気持ちに気付いてくれる?
早く莉央も俺と同じ気持ちになって?
そんな事を考えているうちに、俺は春特有の暖かい日差しに負け、ウトウトとしはじめてしまった。
そしてその数分後、俺は青く澄み渡った空へ意識を放り出してしまっていた。
「り、お……――――」
愛しい、愛しい人の名前を呼びながら。
――――
――
ビュウッと肌寒い風が俺の頬を撫でた。
それが俺を目覚めさせた。
「ん……?」
「あ! チビってば、やっと起きたの?
もう帰る時間よ、どれだけ寝てるつもりなの?」
俺がムクリと起きると、横にはクスクスと笑っている莉央が座っていた。
その笑顔に俺はドキンと胸が高鳴った。
「う、うっせーな!
別に俺の勝手だろ!」
それを誤魔化すかのように、俺は莉央から顔を反らした。
俺はホント、いつもこんな言い方しか出来ない。
素直な気持ちを言葉にするなんて術を俺は持ち合わせていないから……
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