あの日の空 Ⅰ

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  ミーン ミーン… まだ蝉が鳴いていた、 夏の暑い日の出来事 あの日、空はとても青く、高く、 澄みきっていたのをよく覚えている。 その日の任務の帰り道、 ナルトはこっそりと俺に 「後で、夕方にアカデミーの前に 来いってばよ」 と言った。 俺はいきなり何かと思って、 「‥何だよ。いきなり」 と聞いた。 だけど、ナルトはいらずらっぽく笑って 「ひーみーつ!」 と言って帰っていった。 色々不思議に思ったけれど、 俺は夕方になる頃にアカデミーへ行った。 アカデミーにはもうナルトは居た。 ナルトは俺を見るなり、 よう!と声をかけて 「ちょっと見せたい所が あるんだってばよ。 ついて来てくんないかなあ‥?」 と言った。 俺の返事を聞かないうちに、 ナルトは 「じゃあ行くってばよ!」 と言って、歩き始めた。 空はもう、太陽の紅色に染まり、 東の方にはもう、 うっすらと月が現れていた。      
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