2人が本棚に入れています
本棚に追加
もし、生きる気力を失ってしまったら、どうなると思いますか?
ボクは、すべてを拒絶した。
みんなはそれを、卑怯だと言う。
みんなはボクを、弱虫だと言う。
違う。
そうじゃない。
そう言いたかった。
そう叫びたかった。
でも言えなかった。
口にするとすべてが壊れる気がして。
拒絶することでしか自分を守れなくて。
何も言えなかった。
辛い。
怖い。
寂しい。
痛い!痛い!心が痛い!
そう自分の中で叫ぶ日々。
それでもボクは拒絶した。
もう誰も、ボクに近づかないように。
もう誰も、ボクの中に入ってこないように。
だけどその人は、ボクの前に現れた。
そっと暖かい風のように近づいて、俯きふさぎ込むボクの隣に腰を下ろした。
それが出会いだった。
思えば、この時既に恋に落ちていたのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!