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だからか、ボクはやっとあの人の言葉の意味がわかった気がした。
“君はもう大丈夫”
そうだ。
人を拒絶して、周りを拒絶して、世界を拒絶して。
だけど、あの人と関わった。
ボクが自分の意志で関わりを持とうとした。
自分から近づいたんだ。
すべてに拒絶していたはずなのに。
だからあの人はもう大丈夫だって言ったんだ。
もう自分から歩み寄っていけるから。
大丈夫だって。
ボクは走った。
あの人を探すために。
走って、走って、走って。
ちゃんと伝えたかった。
次の日も、その次の日もボクは走った。
だけど、見つからない。
あの人が見つからない。
走っても、走っても、走っても。
見つからない。
見つけられない。
どうしても伝えたい。
“ボクはもう大丈夫だよ”
って。
“ボクはちゃんと生きてるよ”
って。
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