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私は胸が痛くなる。
「でもさっきずっと一人だったと言ってたわよ」
「えっ、でも私本当に映画に彼と・・・」
混乱する彼女。
「それに日付も1998年じゃなくて2008年よ」
「よく考えて。よく見て、私達よく似てるのよ」
私と彼が一緒に写った写真を彼女にみせた、日付は5年前。
「どうして、お姉さんと彼が!彼はドコ?ドコにいるの?」
「彼は5年前にいなくなったの、もういないのよ」
彼女は泣き出した。
「そうだ、私あの部屋でずっと一人で・・・。」
「ごめんね、ごめんなさいね。彼がいなくなってあんまりつらくて、あなたをあの部屋に置いてきちゃったの。あの部屋で暮らしたあの日が一番幸せだったから」
「イヤ!彼に逢いたい、昨日やっと両思いになったのに!今日初めてのデートだったのに!」
泣き叫ぶ彼女を慰める。私も辛い。彼女はまだ彼と将来を誓いあってない、思い出も多くない。
私の方がボロボロだ。
「でも、もう大丈夫よ。元に戻りましょう?あなたも困るでしょ?」
そして彼女は私の思い出の中に戻った。
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