第7章 「衛生兵前へ!!」

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6月6日。 上陸作戦は午前8時に決まった。 私達が上陸する上陸挺は、屋根がなく高さは190cmあるかないか…。 出入口は一つ、幅3m高さ190cmのハッチしかない。 上陸してからハッチが開き、前から次々と出ていき上陸終了。あとは海岸を制圧、敵を一掃し終了。こんな感じの作戦だった。 私は上陸挺の第一班で一番最初に上陸し後から来る仲間を待つ。 上陸挺にはざっと30人ぐらいが乗れる大きさである、問題は誰が「前」に乗るかだ。 一番前はハッチが開いた瞬間に飛び出す、問題はそこではない。 ハッチが開いたら一気に弾が流れ込む、確実に死ぬその場所に誰が乗るかだ。 作戦内容を聞きには階級が低い者が一番前、階級が高い者が一番後ろ…。 最悪だった、私は二等兵で一番低い階級だったしチャプマンもまた私と同じ階級だった、私とチャプマンはお互いの顔を見て「俺達が前に行くのか?」「そうだろうな」目と目で会話をした。 上陸挺に乗る時大尉に私だけこう言われた。 「お前は大事な衛生兵だ、私の隣に居ろ」 私は渋々大尉の隣に立った、前に乗らないだけましだがチャプマンは最前列から3番に居た。いい気分では無かった。 上陸挺が動き出した、もう戻れないあの平和な日々に…。 ドーバー海峡を渡り始めた上陸挺の中は不気味なほど静かだった。 上陸挺が動き出してから30分経っただろう、徐々に爆発音が大きくなってきた。
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