第2章 地獄の訓練

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ここからが地獄の訓練である、本来は地獄の訓練ではないが私達にとって地獄の訓練になった。 前期の訓練も後半になり、2泊3日の本格的な訓練があった。7月15日から7月17日に事件が起こった。 15日、早朝。 「これから2泊3日の野外戦闘訓練を開始する」 上官がそう言うなかチャプマンは眠たそうに目をこすり大きなあくびをしている。無理もない、チャプマンは昨夜から酒を飲みほとんど寝ていなかった。 あれほど言ったのに… 「全員装備を持て出発するぞ」 その声聞き皆がフル装備を持ち前進した、100kmの行軍で慣れているためスラスラ歩けた。 野外戦闘訓練はほぼシナリオがありその通り進む、勝ち負け関係ない訓練である。 持っている銃は実銃だが弾は空砲、地面には爆弾が仕掛けられていて爆発する。もちろん爆発させるのは上官でちゃんと土嚢が積んであり「ここに爆弾がありますよ」と記されている看板もある。 そこを通り敵とされる先輩兵士達と出逢うと空砲を撃つ、至って簡単な訓練だ。 その日は爆弾が爆発し敵と遭遇した。 もちろん寝るのは野宿でタコツボ(地面に穴を掘って出来た穴)の中で寝た。 次の日、午前中は何も無かったが夕方近くに事件が起こった。 地面に土嚢が積んでありちゃんと看板も建っていた。 私と土嚢の距離は3mあった、2m以上離れろと命令があったからだ。 皆ドキドキして爆発を待った、 ………爆発しない… 私の班の班長も困っていた、「爆発しないなら前に進め」 班長が言った。 私の隣に居た同期の兵士は何を思ったか土嚢の中を除き込んだ。
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