第二章 運命の出会い

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野次馬の中の何人かは、この惨状を面白半分に、携帯のカメラで撮影している者達もいた。 「うわー、こっちくるぞ!」 対岸の火事を決め込み、自分達には被害が及ぶ事はないと思っていたのであろう。 野次馬達は、パニックに陥ったように突然慌て始め、逃げる途中で倒れてしまった人を平気で踏みつけながら、我先にと逃走を始めていた。 感染者の何人かが、杉崎の乗り込んだバスに向かって、猛然とダッシュしてくる様子が見えた。 「早くしろ! 早くドア閉めてくれよ!」 バスの中は、また騒然となり始めていた。
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