第九章 夢の終わりに

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蘆塚のそばには、槍を強く握りしめた伝助が立っている。 彼も昨日の激戦から、なんとか生き延びていた。 『大丈夫か?伝助。 わしの側を決して離れるでないぞ』 『だ、大丈夫ですだ。 オラが、蘆塚様を必ずお守り致しますだ。 武士は、みんなひどい奴ばっかだと思っていたけど、蘆塚様や、四郎様や、他の浪人の人達は違った! オラ達を……、オラ達農民を……、同じ人間として扱ってくれただ! 幕府相手に対等に戦えたなんて、オラ本当に嬉しかった。 四郎様や、蘆塚様のために、この命捧げるのなら悔いはねえ!』 『嬉しいことを言ってくれるのう、伝助。 わしのことは気にせず、自分の命を守ることだけを考えよ。 来るぞ……』 蘆塚がヌラリと刀を抜いた。 バンッ!! 本丸の城門が、ついに破壊された。 幕府軍が、雪崩をうったように本丸の中へと進入して来た。 『やああああああ!』 蘆塚が雄叫びをあげながら、真っ先に敵陣に突っ込んでいく。 伝助も、それに負けじと続く。 原城の本丸にいる者達は、最後の力を振り絞って、幕府軍に突撃していった。
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