第二章 運命の出会い

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恐怖の為、バスに乗ろうという人達も、我先にという思いが働き、押し合いのようになってしまっている。 いつもならスムーズに出来るはずの事が、このような状況下の為、何倍もの時間がかかってしまっていたのだ。 それは、自分だけは助かりたい、無事に家族の元へ帰りたいという、人の生への執着が生み出している状況だった。 「落ち着いて乗れ! 大丈夫だ! 列を乱すんじゃない!」 バスの入り口で、すでに乗り込んでいた60代前半ぐらいの男性が、バスに乗り込もうとする人々をうまく誘導していた。
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