人魚姫

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僕が人魚だということを誰が信じるだろう。 白く美しい脚は紛れもなく僕の腰から生えているし、耳は丸くて指の間の水掻きは短い。 そう、だって僕は人間になったのだ。 海中一の声を犠牲にして。 (だってもっと大切なものを見つけたんだもの!) 人魚姫 きっかけは僕の16の誕生日。 海上に出ることを許されて一番好きな歌を口ずさみながら海面から顔を出したんだ。 荒れ狂う海、これは僕の歌のせい。 人魚の歌は全て海を動かす力が宿ってる。 人魚の一族の中で一番歌上手な僕のは一際強い力を持ってるから、一度海上からその効果を見てみたかったんだ。 効果は素晴らしかった。 黒い雲が渦巻き、土砂降りの雨が海に叩きつけられ、波は易々と巨大な船を揺らした。
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