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猟滋「良くねぇよ。俺、お前の不機嫌な顔なんて見たくないし。」
明華「えっ…。」
猟滋「だってよ、せっかく2人で遊びに来たのにさ、どっちかが不機嫌のまま終わったらどっちもいい気分にならないじゃんか。」
明華「……。本当に何でもないもん……。時間が来たから帰るだけだから、じゃあね。」
猟滋の必死な言葉を届く事なく、去ろうとする明華。
しかし、明華が去ろうとしたその時だった。
明華「キャッ!?」
明華の履いていたヒールのかかとが折れて、バランスを崩しその場に倒れ込んでしまった。
猟滋「め、明華!!」
急いで明華に駆け寄る猟滋。
猟滋「大丈夫か明華?」
明華「何か…、足痛い…。」
猟滋「見してみろ。」
明華「だ、大丈夫だよこれぐらい!!」
猟滋「無理するな!……。うん、ただの捻挫だ。ちょっと待ってろ。」
猟滋はそう言うと、服を買った店の袋から自分が着てきた服を取り出して、ロングTシャツの袖を引きちぎった。
明華「ちょ、ちょっと猟滋?」
猟滋「動くなって。応急処置だ。よし、これで大丈夫だ。」
明華「……。ありがとう…。」
猟滋「どうだ?立てるか?」
明華「さ、最初から大丈夫って言ってるで…、っつ!」
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