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泣き叫ぶ女子が立川を指す。
教師は落ち着くように言ってから、立川を見た。
「昨日の当番は、立川君だった
わよね?」
「そうです。でも、昨日は用事
があったんで、野呂君と交代
してもらいました」
クラスメートの視線が、一気に立川から野呂に集中した。
『今までとぼけていたのが
許せない』
『立川に罪をなすりつけようと
していたんだ』
口に出さずとも、痛いくらいに伝わってきた。
「……それは本当なの、
野呂君?」
先生の視線がずぶりと突き刺さる。
身体が痙攣し、嫌な汗が背中を流れた。
「……ぼ……僕……」
『僕がやりました』
きちんと言おう。
皆に誠心誠意謝って、罪を償おう。
野呂は決心を固めるように、拳を握りしめた。
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