春 ~自殺志願~

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  結果、誰にも相談できず、庇ってくれる者もいない。 彼は孤独だった。 「明日こそ持ってこなかったら  どうなるか分かってるよな?」 立川は財布から二千円全額を抜き取ると、野呂の前に差し出しながら、震える肩に肘を置いた。 「で、でも、  もうお金がないんだ……」 怯える野呂を見下ろしながら、立川は嘲笑う。 「金が無かったらバイトでも  なんでもして作ってこいよ!  ま、お前なんか雇ってくれる  所があるとは思えねぇけどな」 「そんな――」 「お?逆らう気か?」 毎日のように野呂にたかる立川。 苛々すると野呂をサンドバッグに見立て、殴る蹴るの暴行に及ぶ。 お陰で野呂の制服の下には、無数の生々しい傷が隠されていた。 それは罪の印。 過ちを犯した野呂への罰。
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