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父は十年前に腸閉塞で入院し手術を受けその直後に癒着し再手術をした事があるがその後 通院や診察あれど入院するような病気、怪我はなかった…
しかし私はこの頃 仕事であまり家にいなかった。
腸閉塞の痛みこらえきれず自分で入院の準備をし車を運転して近くのS総合病院に入院した。
再手術後は良好!
院内でも自分で洗濯し院内食では足りないと近くのうどん屋まで行くまでになった。
これはこれで良い事なんだがこの出来事が出張、転勤が多い私が父を一人にしておくのがとても不安になっていた。
しかも通院の帰りに行きつけの喫茶店のカレーが食べたくなって行く途中で躓いてひっくりかえりコンクリートに直接顔をぶっけ(歳をとると手がすぐにでなくなる)救急車にまたS総合病院に運ばれ顔を何針か縫った事があった…
近く大きな転勤があると思われる私にとっては歳をとって次第に衰えてゆく父を一人に…
まぁ 独身だしなんとかなるだろう なんて簡単な考えも少しあったし少しでも若い方が有利だと思いかなり悩んだ末に転職を決断し転勤のないできれば自宅に近い職場を探した。
もちろん年収はかなり落ちる事は覚悟の上だった…
しかし世の中はそんなに甘くはなく決まるまでに約一年もかかってしまった…
だけど後に認知症になる父のためにはこの転職は成功だったと思う。
通勤に車で十分 渋滞がなければ五分で帰る事ができる。
前よりも父といる時間も喧嘩する時間も多くなった。
何年間かは穏やかなのんびりした日々が過ぎていった…今 思うとこの頃が私にとって一番幸せだったように思える…
この頃はまだ父も車を運転していたがほとんど乗らなくなったのと危なっかしいために引退させた。
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