入院

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とにかくこのままでは… 石鹸とタオル、ティッシュ、トイレットペーパーを使い瞬間湯沸器のお湯で父の体を拭いた。 それぞれ何枚も何枚使って拭いた… 潔癖症の私には産まれ初めての最大の苦痛だったように思う… これ以上の被害が広がらないように新聞紙を敷き詰めて着替えさせ隣の部屋に布団を敷いた… 布団までの移動は案外 楽だった と言うのはこの頃はまだ自分で立ち上がる事も歩く事もできたからだ… この日の昼にたまたま町でバックをたすき掛けしポケットに手を突っ込んでパチンコ?に向かう父の姿を車の中から見かけている… その後何があったかは今ではわからない。 なんせ本人もわからないのだから… パチンコを終えコンビニで弁当を買いそして家に… 当時 父は腸閉塞手術後によく便秘し時々通院してるS総合病院へ漢方薬や下剤をもらいに行っていたし下着を汚す事はたまにあった。 布団に寝かしたら少しは落ち着いたらしく 「寝たら治るよ」 と父は言った。 季節の変わり目で体調を崩したのではないかと思いしばらくは様子を見る事にした。 汚れた廊下、部屋はどれだけの時間がかかったかは今では覚えてないが翌日は確か休みで昼過ぎまでかかったように思う。 じゅうたんをはがし、はがせないのはペットボトルにお湯を入れ洗剤と使わなくなった歯ブラシで汚れを落としトイレットペーパーで何度もたたいて汚れを移していった… 大変だったけどこの経験は以後何度も起こる似たような出来事に落ち着いて対処できるようになった。 この頃はまだ介護用防水シートの存在は知らなかった… 知ったのはずいぶん後になる。
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