お帰り お父ちゃん

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父の部屋に使い慣れた布団に白のシーツ敷き父を寝かせ、白の掛け布団、ドライアイス、ローソク、焼香等など用意された… 初めての事で何が何だかわからないまま進んでゆく… 朝6時頃まで打合せし次は午後2時に打合せ また お坊さんが夕方から入るから身体を休めおくよう言われ帰って行った… といっても寝れるものではない… 父と2人になり最初に一言 「お父ちゃん お帰り」 ぼそってつぶやいてしまった… と同時に涙が溢れだした。一年前には75キロ以上あった体重は53キロまで落ち頬が痩けている… 酒もタバコもやらない代わりに食べる事が大好きな父が半年間は点滴と胃ロウから入れるヨーグルト状の栄養液のみで入院以来 水さえ口からは入れてない。 入院したのは8月下旬 人一倍汗かきの父は喉もかわいたに違いない。 フワフワの髪をかき上げてみた 生きていた時の温もりは伝わってこない…だが背中がまだ温かった。 やってあげたい事、食べさせたい物や連れて行きたい所がいっぱいあったのに…
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