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…いや、まぁ予想していたことなんだが、やはり視線をかなり感じる。
落ち着いて食事を取ることもできない。
「見事に注目されてるね」
美菜は少し口をもごもごさせながらそう言った。
「…なんだか落ち着かね~」
「そりゃぁね…でも、そのうち慣れるよ」
「そんなもんか?」
「…たぶん」
美菜はそう苦笑した。
まぁでも、いつかは慣れてくれないと俺としては困るんだよな…
これからの生活のためにも…
「あ、久しぶり美菜ちゃん!」
食事をしている美菜に声をかけてきたのは、短い栗色の髪を持った、まだ幼さの少し残る顔立ち(ロリとは言い難い)の少女だった。
「…もしかしてその人、連絡網でまわってきた…」
「うん、明日から入学する、東坂棗。私の従兄弟なんだ」
「へ~美菜ちゃんの従兄弟なんだ!
あ、私の名前は中嶺三枝(なかみねさえ)だよ!
よろしくね!」
と言って右手を差し出してくる。
「うん、よろしく」
俺はそれを握手を求めているのだと解釈し、右手で握った。
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