2333人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
「それにしても、いきなり男子がこの学園に来るって聞いてびっくりしたんだよ~!
連絡網の通りかっこいいし!」
やはり千恵さんの言ったとうり、連絡網は生徒全員にまわっていたみたいだ。
内容はあれだけど…
三枝は手に持っていた、昼食の乗っているおぼんをテーブルの上に置き、美菜の隣に座った。
「今ね、みんなの話題の中心は棗君なんだよ!
ほら、こんな学園にいたら彼氏とか作る機会がないでしょ?
だからみんな、まだ見ぬ入学生に期待しているんだ。
私もその一人だよ!」
「ほらいったでしょ?
心配しなくても、友達なんかすぐできるって」
なるほど…確かに友人帳をつくる必要はなさそうだ…棗(なつめ)だけに…
「うん、三枝はもう棗君の友達だから!」
…内心その言葉にホッとする俺でした。
「あ、でも…友達つくりとは関係ないことだけど、一つ問題がある…」
美菜は小さい声でそう言った。
「…問題?」
「お風呂…
まだ棗の顔をみんなに知られてないでしょ?
今日誰かに棗が入ってるとこ見られたら…学園に侵入した変態だって思われるかも…
この学園は大浴場しかお風呂はないし…」
「風呂ってさ…男湯と女湯に別けられてないよね?」
「あるわけないじゃん!ここ女学園!」
そうでした…
「ど、どうしよう…」
「時間をずらすしかないんじゃないかな?
みんなが入らない時間に…」
三枝はつぶやく。
かくして、『風呂に入ろう大作戦』は始まった。
最初のコメントを投稿しよう!