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『苦しまないで。悲しまないで。諦めないで。悩まないで。私は常にあなたの味方だから。』
これが支えだった。
「お前が亡くなって五年か。俺がこうして現在を生きていられるのも、貴之と親友という関係を続けられているのも、お前のおかげだな。」
心の中で呟く。
(ありがとう、藍那【アイナ】)
そっと遺影を元に戻し、右京は再び作業を開始させる。
あと一時間もすれば、手伝い人が到着するだろう。
一人はブーブーと文句を言って。
もう一人は作品を見て目を輝かせるだろう。
想像しただけでも楽しいし、笑えてしまう。
本当に、充実した日々を送っているんだなと、右京は心から笑っていた。
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