過去

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テラスに着くなり、俺は遥に質問をした。すると彼女は、何故か過去の話を語り始めた。 遥の話を聞いて、俺は絶句した。…どうやら彼女は、俺と同じ高校、しかもクラスだったらしい。 いや…待てよ。《一ノ瀬遥》なんて名前の同級生は、一人もいなかったハズだ。しかし彼女の目は、いつも以上に真剣な眼差しをしている。 俺は彼女を信じた。しかし、どうしても思い出せない。俺は思い切って遥に聞いてみた。 彼女は答える。 「両親が離婚して母方の旧姓を 名乗ってるんだ。昔は藤代っ て名前。」 藤代……思い出した!確かに藤代という女生徒がいたが……嘘だろ? だって、今の遥と比べると、印象がまったく真逆なタイプの女性じゃないか。俺の頭は錯乱していた。
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