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テレビの画面は、さっきまでの砂嵐ではなく何やら人影のようなものが映っていたが、それが一体何なのかは、草刈には確認が出来なかった…
「草刈君。ゲームをしようか?」
予想外の質問に、一瞬草刈は怯んだが、直ぐに声をあげる。
「…ゲーム…だと?」
「ゲームに勝てば、君はここから出ること出来る。しかしゲームに勝てなければ…」
草刈はいきなりの事で訳が分からなかったが、ただ事でないことは直ぐに直感で察していた。
「か…勝てなければ…なんなんだ!」
草刈の声は自分でも、わかるぐらいに動揺し…震えていた。
「なぁに。勝てなければ、君の命を掛け金として頂くだけですよ」
草刈は、ふっ、と鼻で少し笑ってみせた…しかし何故か体の震えは止まる事はなく、より激しく震えていたのだ。
声だけの、テレビの主に奇妙な威圧感があるのが理由の一つであった。
「さぁ、ゲームスタートだ」
…
テレビの声の主が、開始の合図をした数分後…
部屋中に草刈の断末魔が響き渡り。
草刈の血が部屋を真っ赤に染め上げた…
そして、何もなかったかの様に…その部屋は、静まり返っていった…
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