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あれから何時間の時が経過したのだろう?
ここにいる男女十人は、皆そう感じていた。
十人は、気が付くと見知らぬこの場所にいた。十二、三畳はあるだろう部屋に…
部屋は殺風景で、錆びて茶色に変色しいる扉以外には特に何も見当たらない。
ただ錆の臭いが部屋を包み込んでいるだけ。
部屋の扉には鍵がかかっているのか、錆び付いてガタが来ているのか、男が三人掛かりでも開くことはなかった。
最初はみんな戸惑い、開かないドアを蹴り飛ばし「出せ!!」と叫ぶ者や。無言で泣き出す者もいた。
あれから何時間経過したことか…
今は誰も喋らず、床に座り、ただ黙っていた。
そんな中、一人で座り込みながら、退屈だなぁ…と、思う女がいた。
金原 恭子
この金原恭子には他の者達と違い、何故か余裕があった。
恭子が目覚めた時には「やべぇ…拉致られた?」などと思っていたが、どーせそのうち誰か助けに来るだろう…警察とかさぁ…??
そう一人で思っていたのだ。
あっ…!
今日、毎週見てるドラマじゃん!?最悪…てか本当に今何時だろ?
そう感じていた恭子を含み、部屋にいる全員の持ち物は全てなくなっていた…
鞄、携帯、時計、アクセサリー等。全部なくなっていたのだ。
一体何故?そして、何の為に恭子達はこの部屋に集められたのか?
その目的とは?
恭子以外の全員はそう思い焦り始めていた。
その時である。
いきなり部屋中に防犯ブザーの様な音が鳴り響いた。
流石の恭子も、ビックリして辺りを見回した。
音は止むことはなく、どうやら天井にある小さな穴から、ブザー音がなっているようだ。
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