選考会

5/8
前へ
/51ページ
次へ
『皆様お待たせしました。これからゲームで楽しみませんか?心が踊るような、楽しいゲームを…しかし今回はゲームの参加人数が少し多すぎたようです。なので選考会を行いたいと思います。ルールは簡単、ただこの階段をより早く登って頂くだけです。ゲームに参加出来るのは十名の内、最後まで階段を登り切って頂いた方のみです。皆様、ゲームに参加出来るように頑張ってくださいね』  なんだこれ? 壁に書かれた文字を見て、誰もがそう感じたであろう。  恭子もその一人であった。  ゲームとかマジ意味分かんないし…とっとと帰ってドラマでも見よ。  そう思い、恭子は呆れ交じりで階段に足を運ばせた。  恭子が二段目の階段に足を運んだ時、恭子は足に違和感を感じた。  その瞬間にカチリと床から小さな音がした。 あれ?なんだろ?…なんか踏んだ感じが… どうやら階段に仕掛けのような物があり、恭子はそれを踏んだらしかった… 「ありゃ?なんか踏んだ…」 「金原さん、何か踏んだよ?」 「ははっ、なんだろね?」  少し笑いながら、恭子が浩太の方を向こうとした時である。…何かが恭子の頬をかすめた… 「えっ?」 恭子には、一瞬何が頬をかすめたのか分からなかったが、直ぐにそれが細長い矢のような物だと気付く… 浩太の顔に刺さった、それを見て… 「あ」 浩太は顔に矢が刺さったまま、一言そう言うと床に倒れこんで動かなくなった。 …浩太…君? 何…これ…?全然意味が分からないよ?どう言う事…浩太君?大丈夫? 恭子にはいきなりすぎて、浩太に何が起こったのかが理解出来なかった。 「う…うわぁ!?」 後にいた他の男の叫び声で、恭子は我に帰った。  そして、浩太の身に起こったことの恐ろしさを…やっと理解した。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加