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『おい、桜井一花。』
夏休み前の、暑い日。明日から夏休みだとﾜｸﾜｸしていたあたしは、教室に突然やって来た教師に廊下へ呼び出される。
あたしが廊下へ出ても、この教師はﾎﾟｰｶｰﾌｪｲｽのまま。
目の前にﾋﾗﾋﾗさせてんのは…補習者名簿？
『学年でも３点なんてお前くらいのもんだ。…夏休みは補習な。』
頭が一瞬にして冷えた。補習!?
そしてｺﾝﾏ数秒後、目の前の教師に抗議する。半泣き状態で。
『え゛ぇ～!?あたしだけ!?ｾﾝｾ、採点ﾐｽとかしてんぢゃない!?』
あたしは物理が苦手だった。
なんなんだ。たかが林檎が落ちたくらいで計算するなんて意味が解らない。
誰だっけ？ほら、昔の偉い人が見つけた、なんとか引力の法則？別に知らなくても生きていけると思わない？
しかし、この教師・金城は鼻で溜め息をつきながら面倒そうに言葉を発する。
『残念だが、補習は決定だ。お前のために学校来る俺の身にもなれよな。今日の放課後、ﾌﾟﾘﾝﾄ取り来い。』
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