目覚

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脳の奥の奥がボンヤリと軋む音を響かせている それは壁の向こうの隣人の話し声にも聴こえる いや聴こえるというよりは感じる… でも確かにある… 何か自分の意志ではない何か… 消して消えない 感覚にこびりついたサビのように… 脳の中に住む冷たい何か… 「……………………」 「………ガタ………」 「…………………」 「…クソ…もうこんな時間か…」 銀の色の毛を掻きながら ソイツはカーテンを開けた… ソイツにはいつもと同じ風景が 薄暗い部屋の窓口に飾られる 「ファ~……」 欠伸を一発し ソイツは支度を始めた。 ドンッドドンッドッドン!! ドンッドドンッドッドドン!! 「あぁ開いてる」 リズミカルにノックされた開かずの扉のようなその扉は ジワーと蛍光灯の光を部屋を照らしながら 銀の色の毛のソイツに言った 「ゼロ~おせーよ」 ゼロ「あぁすまんメロウ」 男が部屋に入る メロウ「ったく!!三角地区のビッチでもそんな焦らさねーよ!!」 「まぁいつもの事か~。そういや例のさ……………」 メロウはここで唯一信用できる奴だ… 無秩序という秩序が成り立つこの灰色の国で… なんせ今いるBエリアを歩けば ナイフを持った集団や銃を忍ばせ歩くジャンキーなんかが ひしめき合って 何が起こっても不思議じゃない そんな世界だ… だから信用できる奴なんてそうそういるもんじゃない… いるもんじゃない… メロウ「聞いてんのかゼロ?!」 ゼロ「あぁすまんいつもご苦労。いや、ありがとう」 メロウ「…?!あぁ…?」 メロウ「それよりまた窓の[絵]変えたのか…」 ゼロ「あぁ良い青色が手に入ったからな」 メロウ「空の色ってあんな色だったっけなぁ…」 ゼロはちぎれそうな靴ひもを固く締め ゼロ「行くぞ」 メロウ「…オウ!!」 戻れないかもしれない部屋を後に 2人は同時に出て行った…
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