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「ヴァルキリー…って、あの最近話題の奴ですかい?」
「ああ、そうだ」
フレイがそう頷くと、隊員達から「おおー」と声が上がる。
「ヴァルキリーって、確かスゲー美人の女なんだろ!?」
「うほ、マジかよ!」
「でも俺は、悪魔のような心で、鬼のような顔した女って聞いたぞ!?」
「いやいや待て、俺は──」
「…やかましい!!」
フレイの怒鳴り声で隊員達の話も、動きもピタリと止まる。
そして疲れたように、ため息を吐いた。
「……お前達は戦いと、女と、酒の話でしか盛り上がれんのか…」
「それが“人間”!!」
「それが“男”!!」
「「だもんねぇ~っ!」」
むさい男2人が肩を組んで、小踊りを始める。男2人が顔を見合わせて「ねぇ~っ!」と言っている姿は、なんというか…、まあ、ハッキリ言ってキモい。マジで引く。
他の隊員達が、その2人から若干離れたように見えるのは、気のせいじゃないだろう。
と、ここで空気の読める若い隊員がピシッと手を挙げる。
「作戦の決行日と、内容は何でしょうか?」
この瞬間、フレイの中でこの隊員の株が上がったという…。
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