††死神††

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「敵の数は約二十人程度、十分魔槍隊で撃退できる人数だった…。だが魔術隊が駆け付けた時は、既に壊滅状態になっていた。なんとか撃退する事には成功したのだが…魔術隊も多数の死傷者を出してしまった…」         そこまで言って、オーディンは目を綴じる。そして暫く沈黙した後、目を開き話を続けた。         「私はこの件、おそらく奴の仕業だと考えている」     「…!!まさか…」     フレイは暫く考えた後、正体に気付きオーディンに視線を向ける。   オーディンは一度頷き、口を開いた。       「ああ…おそらくヴァルキリーだ」       ヴァルキリー。 最近現れた、光軍の兵士の事である。その戦う美しさと、鬼人の如くの強さからヴァルキリーとゆう異名が付けられた。         「ヘイムダルが殺られたとなると…奴に対抗できる者は限られてくるな…」       オーディンはそう言って、フレイを見つめる。   フレイはその視線から逃れるように、額から汗を流しながら目を逸らした。       「フレイよ、ヴァルキリーを――」     「断る!!」       フレイはオーディンの言葉を遮り、言った。       「どうして俺が、そんな面倒臭い事をしなくちゃならないんだ!!」       フレイはオーディンに詰め寄り、怒鳴るように言う。  オーディンはそんなフレイを見て、溜め息を吐いた。
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