††死神††

6/9
前へ
/12ページ
次へ
フレイは雷球によって、薄暗く照らされている赤い絨毯の敷かれた廊下を歩いていた。       彼が向かおうとしている場所――それは兵舎。       兵舎とは、簡単に言えば各部隊の待機室だ。   各部隊一つの兵舎が与えられ、部屋の大きさは小~大まである。     フレイの率いる部隊は少数な為、小の兵舎が与えられている。     まあ、それでも高級ホテル並の設備と、学校の教室4つ分の広さはあるのだが…。       「………」     しばらくすると、フレイは一つの両開きの扉の前で歩みを止める。     その扉こそ兵舎の扉なのだが、その扉には一枚の貼り紙があり、読み進めるにつれてフレイの体が怒りでブルブル振るえだす。     その貼り紙には、こう書かれていた。       『フレイ!俺これからマリアさんとデートに行ってくるわ!!ムフフ……マリアさんと買い物したり、お食事したり、最後はホテルで……おおっと!危ない危ない。もうちょっとで18禁ワード言っちまう所だったぜ…。 じゃあ、隊長は仕事頑張ってね~。   by 華麗なる副隊長アレス・ネルトゥス 』         「あの野郎…!!」     フレイは青筋を浮き出たせながら、紙をビリビリに破り捨てる。     自分の周りに散らばった紙を見て、フレイは一つため息を吐いた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

282人が本棚に入れています
本棚に追加