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フレイは雷球によって、薄暗く照らされている赤い絨毯の敷かれた廊下を歩いていた。
彼が向かおうとしている場所――それは兵舎。
兵舎とは、簡単に言えば各部隊の待機室だ。
各部隊一つの兵舎が与えられ、部屋の大きさは小~大まである。
フレイの率いる部隊は少数な為、小の兵舎が与えられている。
まあ、それでも高級ホテル並の設備と、学校の教室4つ分の広さはあるのだが…。
「………」
しばらくすると、フレイは一つの両開きの扉の前で歩みを止める。
その扉こそ兵舎の扉なのだが、その扉には一枚の貼り紙があり、読み進めるにつれてフレイの体が怒りでブルブル振るえだす。
その貼り紙には、こう書かれていた。
『フレイ!俺これからマリアさんとデートに行ってくるわ!!ムフフ……マリアさんと買い物したり、お食事したり、最後はホテルで……おおっと!危ない危ない。もうちょっとで18禁ワード言っちまう所だったぜ…。
じゃあ、隊長は仕事頑張ってね~。
by 華麗なる副隊長アレス・ネルトゥス 』
「あの野郎…!!」
フレイは青筋を浮き出たせながら、紙をビリビリに破り捨てる。
自分の周りに散らばった紙を見て、フレイは一つため息を吐いた。
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