【白銀】

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決して脱ぐことのない仮衣があたしを侵食してゆく。はじめ小さかった黒ずみが、徐々に大きくなって頭のなかをおおってしまった。 またあたまが割れそうになった。 未来は何色にも染まらないキャンパスだという。 いまあたしが立っている校庭のように。 一面真っ白な。 きれいな世界。 だから破壊するのだ。 粉々に。
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