【白銀】

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落書きののこった机。 後ろを向いて会話する男子。 担任は決まってホームルームに遅れてくる。 みんな、いつまでこの日常に埋もれているのだろう。 借り物のようなあたし。 当たりさわりのない会話。 嘘で固められた関係。 それもすべて今日で終わる。 昨日までいたあたしはもういない。 ポケットのなかに手を入れ校庭の中央へとむかう。 真っ白な雪を踏みしめる。きゅっきゅっと音がした。
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