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「こ、この!変態兎男!夢でも言っていいことと悪いことがあるわよ!」
声を荒げ思わずラビの耳を引っ張った。
「い、痛い!痛いですよアリス!」
柔らかい感触が手につく。
しかも温かい。
「…え。」
本物?
確かめるように何度も耳を引っ張った。
「あ、アリスぅ~。痛いから止めて下さいよ~!」
やっとのことで、手を離すとラビはほっと息をついた。
「あんたのその耳…」
「え?これ?僕の耳ですけど?」
凝視してしまう。
よく見れば顔の横にあるはずの人間様の耳がない。
思わずめまいがした。
「あら…そうなの。ところでこの時計がどうしたのよ?」
何とか言葉を紡ぐ。
これは夢よ。
前向きに考えることにする。私って適応能力があるわ!自分で言うのも何だけど驚きね……。
今度馬鹿なことを言えば耳を引き千切るわよ。
と言いたげにラビを睨みつけると気にもとめないと言ったように笑みを浮かべて言った。
「だーかーら、アリスの死ぬ時間を示す時計。今は12時だから…これが一周したらアリスは死んじゃうんです。」
つまり、12時間たてばってこと?
冗談じゃないわ!
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