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え…………………?
「アリス。時計を直すために時計屋を探してください。」
冷笑を浮かべ、ラビは再度私に銃口を向けていた。
「………な。」
「でないと私が貴方の命をもらいます。他人に貴方の命をやるなんて真っ平御免ですからね。」
ひやりと嫌な汗が流れた。
カチャ
引き金が指をかけられる。
ヤバい。
こいつ、本気だ。
そう分かると私は必死に顔を縦に何度も振っていた。
「わ、分かったわ。分かったから!分かったから!!」
「ならいいんです。」
にこりと嬉しそうに笑う。先程の冷酷な笑みはヒトカケラも見せない。
自分の夢にこんな性悪男が出てくるなんて…。
怒る気力もなかった。
あんな殺されるような真似をされれば誰だってそうなるはずだ。
「………二重人格。」
ボソリと呟くが、ラビには聞こえていないようだった。
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