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「あ、そろそろ時間ですね。」
ラビが自分の懐中時計を見て言った。
私の手には金色の懐中時計。よく見ると細かな細工が施されている。
よくよく考えれば、床は土でできていてやわらかいのに一度叩きつけただけで壊れるの?
蓋を開いて確認するが、その前から分かっていた。先程まではあった、針を刻む音がしていない。
「…………え?針がない…。」
唖然としてしまった。
特に時計の針を覆うガラスが割れたわけでもないのに、初めあったはずの針がない。
「そうですよ!アリスが時計をないがしろにしたので針が逃げちゃったんです。」
「は………何よそれ。」
頭がこんがらがる。
「では、アリス!時計屋を見つけて下さいね!?頑張って下さい。」
「え!?ちょっと!!」
しかし、ラビは説明する暇もないのか慌てた様子で森の中へと行ってしまった。
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