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風が吹きさわさわと葉の擦れる音が響く。
ラビの足は早く
すぐに足音も聞こえなくなった。
兎だからかな…。
まぁ、そんなことはどうでもいいとして…。
「どうしよう。」
手にある金色の懐中時計を見つめた。手に収まるほどの懐中時計には金色の鎖がついていた。
あの変態兎野郎に
この時計が十二時を指した時に死ぬって言われた時は無性に腹がたったけど、
いくら夢の中だからと言って死ぬのは後味が悪い。
まだ、夢は覚めないみたいだし。
「仕方ないわね…。どうせすることもないし、あいつが言う時計屋でも探してみようかしら。」
しかし、探してみようにも私の周りには木、木、木…。
まずは森を抜けないと。
首に時計をかけると、ここが山の奥ではないと祈りながら私は自分の勘を頼りに進み出した。
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