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いや、自分の態度にも問題があるのは分かってる。
「じゃあ、今日も一人で大丈夫?」
玄関先で今日も美人で面倒見のよい自慢の姉がお目かししていた。
私は、いつものように作り笑顔を浮かべる。
「うん!大丈夫よ。楽しんで来てね。」
けど、今までであれば私が優先されていた。
姉は結構感が鋭い。
おっとりしているようで、意外と…。
でも、恋で私の心も見えなくなったみたい。
ちょっと、悲しくなる。
勿論、口には出さなかった。そんな恥ずかしいこと言えるはずがなかった。
「じゃあ、行ってくるわね。」
安心したように微笑むと玄関のドアが閉まり、一瞬。しんと静まった。
家にはお手伝いさんがいるので、耳を澄ませばバタバタと仕事をしている音が聞こえてくる。
姉様も、よく雨の中…
恋人に会いに行けるわよね。
私だったら、家で大人しく寝てるわ。
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