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「……。」
か・な・り、凝ったカチューシャなのね。
動いてるよ。
大の男か兎の耳のカチューシャ…。
……きもすぎる。
変な異物を見るように頭から爪先まで視線を向けると、男は白いスーツに瞳と同じ紅いネクタイをして片手に金色の懐中時計を持っていた。
「あ…アリス…。そんなに僕を見ないで下さい。」
恥ずかしそうに呟くが、この男が恥ずかしがる所はそこじゃない。絶対。
「分かったから、あんた誰?」
こんなのが私の夢に出てくるなんて…
不可効力よ。
私にあんな趣味はないんだから。
「だから、しろ…」
「名前!!!」
また、馬鹿なことを言おうとしてたから遮ると不承不承といった感じに口を閉ざすと
「ラビ・キャンベル。」
ピクリと思わず反応してしまった。
「…………はい?」
「だーかーら!ラビ・キャンベル!」
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